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PLACES

力士と拾えば楽しさ倍増!
海を守り20年、
進化するビーチクリーン

 海岸に落ちているゴミを拾うビーチクリーン。環境問題への意識が高まる中、その活動も多様化しています。NPO法人海さくら(東京都目黒区)は、「楽しい」「体験」「体感」をキーワードに、2005年からユニークなビーチクリーンを企画・開催。代表の古澤純一郎さんに、その活動内容や想いを聞きました。
 
Word by Rei Morikawa


「ゴミ拾い+α」で広がる活動の輪

 きっかけは、幼い頃から慣れ親しんだ江の島の海の汚れでした。船の道具を扱う家業を営んでいた古澤さんは29歳の時、海が大好きという思いから一人でゴミ拾いを始めます。「一人では限界がある。どうすれば人が集まるのか」。試行錯誤の末、たどり着いたのは「ゴミ拾い+α」という発想でした。
 2015年、知人を通じて知り合った大相撲力士に、自らプロデュースしたうどんを大嶽部屋に持参したことがきっかけで、力士たちとの交流が始まりました。「力士と一緒にビーチクリーンができたら、子どもたちも喜ぶに違いない」。こうして誕生したのが「どすこいビーチクリーン」です。
 イベントは、ゴミ拾いの後、力士とのふれあいタイムを設けているのが特徴。力士が豪快な股割りを披露したり、すり足や四股を一緒に体験したりと、迫力満点の時間が始まります。そして、待ちに待ったぶつかり稽古!子どもも大人も、力士との至近距離での激しいぶつかり合いに、興奮と歓声が沸き起こります。「子どもたちに安心できる砂浜で遊んでもらいたい。そして、海という自然を楽しみながらゴミ拾いや相撲を“体験、体感”してほしい」。

 

 

活動の広がりと「サザエさん」とのコラボ

活動は広がりを見せ、2016年には福島県いわき市や静岡県御前崎市でも開催。20224月からは、国民的アニメ「サザエさん」のオープニング映像に2か月間、どすこいビーチクリーンの様子が放映され、それをきっかけに同年夏には、江の島の片瀬東浜海水浴場に「サザエさんもビーチクリーンをした浜」という看板を設置。そこからサザエさんたちもビーチクリーンの仲間に加わり、共に活動することに。
 202410月には、サザエさんの作者・長谷川町子氏の出身地である福岡県福岡市の百道浜にて「恩返し」という形でどすこいビーチクリーンを開催。約300人が参加し、大盛況となりました。
 「活躍している力士と触れ合えることが、子どもたちにとって大きな刺激になっている」と古澤さん。活動は現在も広がり続け、「楽しみながら環境保護に取り組む」というコンセプトは、新しい社会貢献の形として注目を集めています。

 

海さくらで開催されるユニークなゴミ拾いイベントの一例

・お笑いビーチクリーン 
芸人さんとゴミ拾いをした後にネタライブを見て笑い納めをする12月のイベント。
・ブルーサンタプロジェクト
冬の赤いサンタは子どもたちにプレゼントを、夏の青いサンタは子どもたちのために海のゴミを減らします。毎年海の日のイベントも行っています。

text by Rei Morikawa