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冬の沖縄を熱くする:
沖縄ビーチスポーツフェスティバルの新たな挑戦
「ビーチ閑散期の沖縄を盛り上げたい」
そう話してくださったのは、沖縄ビーチスポーツフェスティバルの実行委員、有吉徳斗さんです。この記事では、2024年2月に初開催をしたビーチイベント「沖縄ビーチスポーツフェスティバル」について、その魅力と興奮をお届けします。
Word by Akira Nakamura
ビーチは”夏”だけのものではない
ビーチと聞くとどのようなイメージを持ちますか?
夏の日差しを受けてキラキラと輝く海面と、裸足の足に感じる熱い砂、そして肌を撫でる心地よい海風。海水浴を楽しむ人々の活気や、家族や友人と笑顔で過ごすひととき。このような夏の情景ではないでしょうか。
しかし、今回のイベントの舞台は、”冬”のビーチです。
「沖縄ビーチスポーツフェスティバル2024」は、2024年2月10日(土)から11日(日)にかけて、沖縄県豊見城市の「美らSUNビーチ」で開催されました。
2月の沖縄の平均気温は約17度。本州に比べると温暖ですが、海水浴ができる気温ではありません。
この時期にビーチスポーツのイベントを開催する理由を、有吉さんに伺いました。
「2月は沖縄のビーチ閑散期にあたりますが、冬でもビーチ文化を醸成できないかと思い、企画をしました。」
続けて、スポーツと旅行を組み合わせた「スポーツツーリズム」も狙いの一つで、「このイベントをきっかけに、冬の沖縄に訪れる人が増えてほしいんです。」と熱く語ってくれました。
実行委員の想いに応える形で、イベント公式アンバサダーには、吉本興業所属の人気芸人「ありんくりん」が就任。MCとして会場を盛り上げ、また選手やファンとの交流も深めました。またイベント会場となった豊見城市のアンバサダーを務める「バナナおじさん」が中心となって、キッチンカーも出店。
開催地沖縄の市民の支援も受け、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。
日本で広がるビーチスポーツの魅力
「沖縄ビーチスポーツフェスティバル2024」では、競技大会の開催だけではなく、各ビーチスポーツの無料体験を実施。2月というビーチ閑散期にも関わらず、約250名の参加者がビーチスポーツを楽しみました。
今回実施したビーチスポーツは3つ。「フレスコボール」「ビーチテニス」「ビーチモルック」です。
それぞれのスポーツの歴史と魅力を紹介します。


思いやりのスポーツ「フレスコボール」
1945年にブラジルで生まれたフレスコボールは、ラケットでボールを打ち合うスポーツです。その最大の特徴は、向かい合う選手が敵ではなく、味方なところ。5分間の間ラリーを続けますが、「相手の打ち返しやすいところに打つ」という点が「思いやりのスポーツ」と呼ばれる所以です。
勝敗は、テクニックなどを審査員が評価する加点式で、ポイントの高い順に順位が決まります。
フレスコボールは、南米やヨーロッパ、オーストラリアなどで、とても注目されているスポーツです。近年日本でも人気が高まっており、小学生から80代の方まで、幅広い年齢層の方が楽しんでいます。
フレスコボールは「コミュニケーションデザインスポーツ」。このスポーツを通じて、人の輪が広がることでしょう。


世界中で盛り上がりを見せる「ビーチテニス」
ビーチテニスは1980年代後半のイタリアで誕生したと言われています。ビーチで行うため、一般的なテニスと異なり、一度でもバウンドをさせてしまうと失点となります。テニスとビーチバレーを組み合わせたようなルールですね。
ビーチテニスは、イタリアやフランス、南北アメリカ大陸を始め、世界的にも大変人気があり、300以上の国際大会が開催されています。
日本では2008年に神奈川県の鵠沼海岸で普及が始まり、現在では日本全国に広がっています。
テニス経験の有無は関係なく、初心者でも始めやすいスポーツのため、気になる方はぜひ体験してみてください。


老若男女誰でもできる「ビーチモルック」
1996年にフィンランドで誕生したモルックは、「誰でもできる」点が最大の魅力です。
ルールはシンプルで、モルックと呼ばれる木の棒を投げて、スキットルと呼ばれる木製のピンを倒します。50点ぴったりにした人の勝ちです。
手軽にプレーできるため、子供からお年寄りの方まで一緒に楽しむことができます。
ビーチで行うモルックが「ビーチモルック」。通常のモルックに比べてスキットルがばらけず、ビーチならではのプレーを楽しむことができます。
モルックは、ヨーロッパで高い人気を誇り、近年はアメリカやアジアでもプレイされています。本場ではビールと一緒に楽しむそうですので、家族や友人と飲みながら楽しんでみてはいかがでしょうか。


ビーチ文化をもっと広げたい
そう想いを語るのは、沖縄ビーチスポーツフェスティバル実行委員の山下祥さん。
「多くの日本人は、ビーチを夏に海水浴だけで楽しんでいますが、それはとてももったいないことです。冬のビーチでもスポーツができますし、ビーチの景色は変わらずとても素晴らしいんです。冬の沖縄も魅力がいっぱいですよ。」
今後はビーチスポーツ競技数を増やし、さらなる規模拡大を検討しているとのこと。次回の開催が待ち遠しいですね。
興味を持った方はぜひチェックしてみてください。
イベントお問い合わせ先
主催:沖縄ビーチスポーツフェスティバル実行委員
電話:03-6304-3295
メール:contact@frescoball.org
各競技お問い合わせ先
フレスコボール:一般社団法人日本フレスコボール協会
ビーチテニス:一般社団法人日本ビーチテニス連盟
ビーチモルック:一般社団法人日本モルック協会

text by Akira Nakamura.