
南極クルーズ
野生動物の島々へ
アルミランテ・ブラウンへ。要するにここも島なのだけど、夏だけ使っているアルゼンチンの基地がある島です。でも人はいなかったみたいです。
ここはジェンツーペンギンの営巣地です。今日は雲がどんよりしていて、なんとなく日本海側の東北地方の冬みたいです。
ペンギンが識別できるようになってきました♪
なんとなくペンギンの種類を意識し始めます。営巣地は海近くの岩の上にあって赤土色。本当はペンギンの排泄物で色が変わってしまってるんです。たまに白いお腹に返り血を受けた様なペンギンがいるんだけど、それは隣の糞を浴びたのかもしれません。
ペンギンの排泄は、水鉄砲みたいに飛びます。だから彼らの後ろには注意しないとです。ちょっと歩くと途中に大きな骨が並んでいました。たぶん鯨、3メートルくらいあったし。

目付きの鋭いジェンツーペンギン

のんびりしているアデリーペンギン

だいぶ大きくなった小ペンギンを守る親ペンギン
船は晴天のクバービル島へ
クバービル島にもペンギンはいました。ジェンツーペンギン。
使っていないアルゼンチンの基地の周りに住みついているみたいで、土地が赤くなってます。匂いは、撒き餌とか、漁村の魚がしょっぱくなった感じ。
島を一回りして、尖った山の上に登ります。50メートルくらいの高さ。足を踏みしめながら40度くらいの雪の上を登ります。登り切ると、素晴らしい風景が現れました。
そこから見えるのがパラダイスハーバー。たぶんここは、普通の人が来られる南極で最も美しい場所の一つかもしれないな、なんて思います。

ペンギンの骨です

海から飛ぶように陸に上がれます

パラダイスハーバーの全景
ハンセン船長が風景を創っていた
午後9時半。やっと太陽が沈みはじめた感じ。
船首の方に、綺麗な風景が見えました。遠くに大きな氷山が浮いています。箱船のように見える青い氷山。その後ろには切り立った海から立ち上がっている山々。神様が降りてきそうな風景でした。
フラムはゆっくり、本当にゆっくりとその氷山に向かって進んでいきます。僕らは、オブザベーションデッキへ。乗客がどんどん増えます。おそらくほとんど。
太陽がゆっくり下に降りてきます。でも、光が弱くならず、山が燃えているように輝いていきます。その山の間の谷に見える方へ、フラムは進んでいきます。

きれいなピンク色に染まる風景です

厚さが50mを超える氷山の落下部分
フッと、気がつきました。船の向きが微妙に変わっています。山間の谷に向かっていない。
巨大な青い氷山に回り込んで、太陽と谷と氷山が並んで見える場所を維持しながら船は進んでいます。船首のデッキから振り返るとブリッジが見えます。光が反射して、スモークもかかっていて、うっすらとしか中が見えなのですが、ハンセン船長がにこにこにながら見ていました。
なるほど、そう言うことだったのか。と理解しました。
このフラムから素晴らしい組み合わせの風景が見えているのは、絶妙に船の位置をコントロールしているからだろいう事。彼は相当絵心あるんだろうなって思います。それにしても、船を動かすって事は見える風景も創れるんだなって、感心しました。

これぞ南極の風景という感じでした

海峡に日が沈みます

サンセット直後の風景、風の音だけが聞こえました