
ベネツィアとポー川クルーズ
古のマントヴァ侯国へ
今朝もまた、夜明けと共に目が醒めました。
早朝からミケランジェロはマントヴァに向かいます。朝起きるのは、決してエンジン音がうるさいからではなく、ワクワク感からです。屋上デッキに上がると、やはり朝日が上ったばかりです。キャプテンが操船し、スタッフが脇についています。
後ろで眺めていると「入っておいで」とキャプテンが手招きします。
早朝のブリッジで
キャプテンと雑談をかわす贅沢
2日目のディナーで挨拶があり、彼はドイツ人で、らしくなくとても楽しい冗談をいう人柄は分かっていました。遠慮なく入ると、簡単な操作の説明をしてくれます。
「これレーダーなんですか」
「うん、でも正確に分かるのは100メールくらいに近くになってからなんだよね」
「え、そしたら20秒先くらいじゃないんですか」
「そうだね、航行用の河川図が大事で見比べているのだけど、夏に向かって川の水深は浅く変わる」
「へー、難しそうですね」
「挨拶でも話したけど、運河を通るか、本流を通るか悩む時があるね。底が擦りそうなことがあるからドキドキするよ」
そんな言葉を交わしながらキャプテンは早朝の鏡のような水面を滑らせるように操船していたのでした。


ポー川の鏡のように映る風景でした
マントヴァを歩いて回ってみました
毎日エクスカーションで歩いているので運動不足ではないけど、毎食豪華な食事が続くとやはり体は動かしたい。というタイミングでストレッチ教室が朝食後にありました。もちろん参加します。
空がたっぷりある北イタリアの素晴らしい風景の中、思い切り体を動かすのも気持ちが良いものです。
昼近くにはマントヴァに迫り、ポー川の本流からマントヴァへの運河に入りました。運河を経てスペリオーレ湖畔のマントヴァの港に着いたのは午後4時半でした。
この日のエクスカーション先、ヴェローナには乗船前に1泊していたのでヴェローナには行かず、寄港地のマントヴァを自分で歩きました。


奥にミケランジェロ号が停泊
これだけ近くでフレスコ画に触れたのは
初めてかもしれません
この日、訪ねたのはテ離宮です。バチカンとフランス王が対立していた世相の中、文化的水準の高さで中立を維持してマントヴァ侯国を維持しようという政治手腕の具体的な実像として建てられたものだそうです。部屋の壁という壁が立体的に見えますが、実際には立体的に描かれたフレスコ画だったりします。ですがこれだけ立体感のある絵画が凝縮した空間というのは初めての体験でした。

触れられるほどの距離のフレスコ画壁

立体感が半端でないです

展開を描いた天井画

金のモールディングも圧巻です

緻密なモザイクタイルの床

庭はコンサート会場にもなります